canonsepoy’s blog

canonsepoyが映画やゲームの長文感想を書くために作ったブログ

【エンドゲームネタバレ】MCU全作見ている俺が、アベンジャーズ/エンドゲームが退屈で駄作でつまらないと感じた内容

【前書き】

アベンジャーズ/エンドゲームを楽しみにしていたのに全然全く面白くなかったので、どうして面白くなかったかを長々と書く。

本当につらい。10年追ってきた大映画の大シリーズの最大のクライマックスを楽しめなかったという事実が。俺がMCUのファンではなかった(顧客層ではなかった)という事実が。「MCUを10年追ってきた人でないと楽しめません」みたいな感想が、逆に俺に10年追ってきても楽しめなかった奴という烙印を押してきて本当につらい。

同じ意見のYoutubeの動画見たりTwitterに残念な感想を書くだけで収めようと思ったけど、やっぱりどうしてもそれだけじゃ納めることができないからブログに自分の気持ちを書くことにした。書かないとこのモヤモヤを消化(昇華)することができない。

俺がすっきりすることがこれを書く目的だ。これはもう完全に自分が自分のために書いた駄文なので、文章は校正も大してしてない駄文かもしれないし、イチイチ見てない人向けの展開の説明は書いたりしないし、エンドゲーム以前の作品も全部知ってる前提で書く。

 

完全にディスってるアンチの意見なのでその前提で。でもほんとう世間一般で「最高の映画!!」って言われている理由がひとっつも分からなくて。冷血人間だから(?)エンドゲームで一回も泣くとこなかった。 

 

ちなみに「おまけの夜」さんの激荒れ感想会動画でほとんど俺の言いたいことを言ってくれているのでこの記事見なくても動画見たら大体わかります

www.youtube.com

この動画があんまり触れなかったかちょっと触れてたけどそれでも俺がどうしても言いたい部分をピックして以下に記載する。

 

【前提:MCUと俺について】

前提として、俺はドラマ(エージェント~)シリーズは見てないけど、MCUシリーズは全作見ており、半数以上は映画館で見ている。当然MCUファンだった。エンドゲームを見るまでは。

※好きなMCU映画:

アイアンマン1、アベンジャーズ1、アントマン1、シビルウォーキャプテンアメリカガーディアンズオブギャラクシーリミックス、アベンジャーズ/インフィニティウォー

 

 

【1.シナリオから感じる茶番感と二次創作みたいな展開について】

今回の映画、ほんと茶番に感じるところ多すぎない?そもそもギャグシーンが多かったり、このシーンこんな長々と続ける必要あるわけ?みたいな疑問に思う長さのシーンがいっぱいあってクッソ退屈だった。宇宙の命運をかけた戦いのハズなのにふざけてるシーンが多すぎる。ここでいうふざけてるシーンていうのは、単にギャグシーンだけじゃなくて、例えば一刻も早くストーンを手に入れて元の時間軸に戻らないといけないという状況なのに、母親と世間話始めちゃうシーンとか父親と世間話始めちゃうシーンとかそういうのも含む。お前状況分かってる?失敗したら後がないだよ?っていう。のび太がおばあちゃんに会いに来たわけじゃあないんだぞっていう。

実際なんでそんな(無駄な)シーン入れたのかの理由なんて明解に分かるけど、もしあのときああだったら、みたいな、キャラクターのファンの妄想を叶えるためでしょ。そういうのいいから。ほんと。

でね、でもこれがさ、大絶賛なワケじゃん。つまり、エンドゲーム絶賛しているファンが見たかったシーンってこういうのなワケじゃん。世界を救うヒーローが見たかったわけじゃなくて、キャラクターの妄想小説が見たかっただけっていう。

キャラクターの同人二次創作に付き合うには今までのMCU全部見てないといけないっていう理屈なんでしょこれ。だって同人二次創作って原作知らない人が見ても一切面白くないじゃん。

よくエンドゲームのことを「MCU全作見ている人だけが楽しめるご褒美の映画」みたいな表現していることあるけど、そういうことなんだよ結局。

「キャラクターの背景やストーリーの用語が分からないから、意味がよく分からなくて楽しめない」んじゃなくて、「キャラクターの同人活動だからそれしか楽しむところがない」ってこと。一本の映画としてとても楽しめるようなものじゃないってことなんだよ、ファンムービーだから茶番みたいなシーンが多いしキャラクター重視でシナリオがどうでもよかったりするんでしょう。

俺はMCUのことはキャラクター映画だとは思ってはいるけど、でも兼ねてヒーローの映画だと思っていて、だからヒーロー映画の文脈を踏んでない「エンドゲーム」はただの茶番にしか思えなかった。

 

【2.アクションシーンが少ない、驚きがない、爽快感がない】

でその割を食っているのがアクションシーン。ほんと体感10分くらいしかアクションシーンないのでは?って感じ。

そもそも敵がいないんだよ。だいたい、最初の20分くらいで倒しちゃうじゃん真の敵だった現代サノスを。だからもう、この時点で「あれ??」って振り上げたこぶしの落としどころがなくなったというか、いやそれはある意味アベンジャーズの連中と同じ気持ちになっていたから脚本の狙い通りではあったんだろうけど。

これに対して明解なカタルシスを用意できていればよかったんだけど、やったことは過去から別のサノスを持ってきて、現代サノスの代わりに過去のサノスをギタギタにぶちのめすっていう…もうこの時点で何か「いや、そうではなくないか?」っていう気持ちでいっぱいで、ラストバトルの映像の迫力にも全く感動できなくて、ずーっとモヤモヤしていた。

俺が求めていたエンドゲームのラストバトルってのは、完全無敵ガントレットパーフェクトサノスを、何とかして(この部分に映画的なアンサーが欲しかった)アベンジャーズ全員の力でパワーで叩き潰す、っていう、そういうのだったし、ファンが求めてたのってそういうのじゃなかったの?って思った。こういう言い方したくないけどガントレットサノスが強すぎて倒す方法思いつかないからあんな展開にしたのでは?という邪推までしてしまう。

それで最終ファイナルラストバトルが始まるんだけど、ここでも全然全く驚きがないわけ。驚きがないっていうのは何が言いたいかというと、単品の新作映画なら、新しいヒーローの新しいパワーとかが新鮮な感覚があってまずパワーを披露するだけで楽しいし、続編モノでも例えばアイアンマンシリーズなら回を重ねるごとにどんどんアイアンマンスーツがパワーアップして毎回新兵器が登場していたし、シビル・ウォーなら前作までを見ていたファンに対するサプライズとしてジャイアントマンとスパイダーマンの参戦があった。アベンジャーズでいうなら、1はホークアイとブラックウィドーっていう新ヒーローの活躍とか、エイジオブウルトロンならハルクバスター参戦とフラッシュとワンダとヴィジョンっていう新ヒーロー投入があるわけじゃん。

インフィニティ・ウォーが本当に最高だったのはそこで、アイアンマンのV2ガンダムの羽が生えたり形態変化する特殊金属を使った新アーマー、アイアン・スパイダーマン参戦、ソー3で期待感を持たせて今回初披露されるフルパワーのDrストレンジ(ただし時石無し)、新武器ストームブレイカーを装備した最強ソー、これらを相手にしても全く引けをとらない最強ヴィランとしての貫禄が最強のサノス。

こんな感じで毎回パワーアップしていった戦いアクションが、じゃあエンドゲームではどこまで進化してしまうんだ!?!?って思うじゃん。思ってたんだよ見る前までは。

 

エンドゲームにおいて、5年も経ってるのに、アベンジャーズのヒーローとしての力、何も進化してないっていうね。まさかでしょ。まさかじゃない??

ん~~まあ、ホークアイがローニンになって剣術が使えるようになったとか、キャプテンアメリカwithムジョルニアは、これはまあサプライズ要素ではあるか。。。?

でもぶっちゃけムジョルニアの力はキャプテンの力というには個人的には受け入れられなかったんだよな…ファンサービスでちょっと使うくらいならともかく、まさかそれを今回のアクションシーンにおける最大の目玉商品みたいに扱うのって何か違くない…?って思っちゃうんだよね。正直ちょっと使ったらすぐソーに戻すくらいでよかったと思う。。。

あとキャプテンマーベルはもうほんと何?何しに(シネマティックユニバースに)来たわけ??インフィニティ・ウォーのラストとか、キャプテン・マーベルのラストであんな期待を煽るようなやり方で登場して、「唯一、サノスを倒すための最終兵器」みたいな鳴り物入りで参戦してきた、と思ったじゃん。で始まってみたら完全にこいつ空気、しかも「私は忙しいから地球ばかり見ているわけにはいかない」みたいな完全にイヤなヤツ扱いだし。

俺は絶対、ガントレットを手にしたパーフェクトサノスを、インフィニティ・ウォーで参戦してなかったキャプテンマーベルや覚醒ハルクが最大限押さえつけることで、ようやくアベンジャーズが戦えるようになるに違いないって、そう思って、そういう展開を期待していたんだよ…。

 

 

【3.ハルクの扱いがひどすぎる】

どうしても許せないハルクの扱いについて書きたい。ソーも許せないんだけどそこはみんな言ってるし俺がいいたいのはハルク。

作者はハルクのこと嫌いなワケ?バカにしてるワケ?
前作「インフィニティ・ウォー」でサノスにこてんぱんにやられて、戦うのがイヤになってしまった、
この文脈があれば、ファンとしては次回作であるエンドゲームで期待していたハルクの姿は

「トラウマを克服して前回以上の怒りのパワーでガントレットごとサノスをぶっとばす強いハルク」
これ。これを見たかったのに一体なに?今作の扱いは。

そもそも初期メンなのに単品シリーズが1作目以降無かったり、シビル・ウォーにいなかったり何かと扱いの悪いハルクなんだけど

あと過去シーン。暴れていた自分を恥じて申し訳程度に車を投げ飛ばしてみたりするシーン。
ブルース・バナー本人からしたらそういう気持ちになるのは分かるけどわざわざあのシーンを入れたということは、アベンジャーズ1における、あの強くてかっこいいハルクの姿を脚本は心底バカにしてるということ、脚本として「恥ずかしいもの」として扱っているということ。
それでも、例えばラストシーンまでにそれを覆すような痛快なハルクの暴れるシーンをいれて「あそこでは恥ずかしいと思ったけどやっぱりハルクはこうでなくっちゃ!!」って思えるようなシーンがあればよかったのにそういうも一切ない。

さらに今回のエンドゲームのストーリー上の扱いもひどい。
「専門じゃない」量子物理学の機械を作らせてアントマンと一緒にクソみたいなギャグ茶番をさせて、科学者として無能みたいな扱いにさせている。
なんであんなひどいことさせるわけ??
インフィニティ・ウォーの時点で、しょっぱなでサノスに負けて、そのあとブラックパンサーの妹に「(ヴィジョンの設計を)なんでこうしなかった?」「思いつかなかったから…」みたいに、妹より下のキャラとして描かれているとか、ハルクバスターをアイアンマンからもらってウキウキしながら戦うも、コケたりサノスの手下にやられたりいいとこ一つもなかったんだけど。

とにかく全面を通して、エンドゲームからは「ハルクのことは笑っていいギャグキャラですよ」っていう歪んだ空気を感じる。いじめか。

もしかしたら「次回作以降で活躍の機会を与えられるための布石」だったのかもしれないけど、エンドゲームだよ?ファーストシーズン?の締めくくりである最大の山場で活躍できない初期メンバーって何?現時点で次回作以降での活躍が約束されていない以上は不満点として挙げるしかない。

2でも触れたけどさあ、覚醒ハルクがパーフェクトサノスを押さえつける切り札になるって信じていたのに。まあこれもね、勝手にお前が信じて、勝手に裏切られただけだろ、ハルクは最初から笑われキャラだったよ、って言われたら、もう返す言葉ないんだけどね…

 

【4.タイムトラベルという題材に関する感想】

正直「あ~タイムトラベル出しちゃったか~」っていうのが第一感想なんだけど…

タイムトラベルを使うのはまあ禁じ手っていうか何でもありになっちゃうんだけどタイムパラドックスとかその手の話は結構好きだから、時間旅行ネタ自体は嫌いじゃない。ただ今回はタイムトラベルを扱った際に生まれる「うまみ」みたいなのが無くて、本当にただ単に過去作の振り返りをしたかっただけなんだな…って印象を受けた。

ちなみにタイムトラベルものでお約束であるのが「タイムパラドックス」なワケなんだけど今回のエンドゲームではそういうの一切ないって説明されてる。タイムパラドックスのない時間逆行モノって面白いか?実際、エンドゲーム中盤は一切敵らしい敵が出てこないので、ここでタイムパラドックスに関するリスクすらなくしたら本当にスリルゼロじゃない?俺は全くワクワクしなかった。

次に、自分たちで「タイム泥棒」って言ってたけどヒーロー連中が過去にタイムスリップしてインフィニティストーンを「借りに」行くんだが、やってることって本当に「後で返すつもりだから黙って持っていった。借りただけだよ?何が悪い?」っていう完全に「悪」側の理屈で、この「タイム泥棒」行為に一ミリも共感できなかった。普通、タイムトラベルモノっていうのは、「ゆがめられた歴史を元に戻しに行く(バックトゥザフューチャー)」か「未来から現在の歴史を改変しようと侵略者がやってくる(ターミネーター)」とか、大体間違った歴史の流れに行こうとするのを、主人公側が食い止めるっていうようなストーリーであって、あくまで主人公は「正義側」のハズなんだけど、、、

まあエンドゲームの脚本自体が自分で「間違った知識」だって言ってるから、違うっていうのは分かるけど。

とにかく言いたかったことは時間旅行モノとしての面白さが見いだせなくて、アベンジャーズはただの時間犯罪者。やりたかったのは公式同人誌で、過去作の裏側は実は…とか死んだ父親との再会~とかそういうファンの妄想レベルのネタ。以上から、エンドゲーム中盤を占める時間旅行部分に対して全く面白みを感じなかった。

タイムトラベルで分枝世界になってタイムパラドックスが起きない、っていう設定そのものに対して別にとやかく言うつもりはない。実際超有名漫画ドラゴンボールとかもそういう設定だったしSFに慣れ親しんでいればそんなに驚きの設定ではないから。

だからそこに対して咎めることはしないんだけど、本来なら時間旅行ってそれだけで一作品作れるくらいなのに、実際このネタでドラゴンボールはセル編を作っているし、であるにも関わらずただ単なる便利アイテムにされちゃったなーっていう残念感がある。時間旅行モノが好きなだけにね。

 

【5.総括】

おまけの夜チャンネルさんの動画で言っていることに加えて上記のような面から俺は全くほとんどエンドゲームを楽しむことができなかった。

もともと、あまりキャラクターに感情移入するほうじゃないし、映画やアニメを見て泣いたりすることもほとんどないから、そういうのに振り切ってる今回の映画が、全然合わなかったんだろうなと思って、諦めているところはある。

でもそれだったら「全米が泣いた」とか「感動超大作」みたいな、最初からそういう人間向けの映画であって、それを「MCUシリーズ最高傑作」みたいな看板で、MCUの締めくくりの映画に持ってくるっていうのは、優良誤認だと思ったし、ヒーロー映画の最後でやることか?と糾弾したい気持ちだし、がっかりした。

ここにこれだけ書いてようやく少し気持ちが晴れた気がする。